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高校の受験指導

高校の受験指導を見ていますと、大半の学校が、十月から十一月にかけて、生徒との面談、親を交えた三者面談などを通じ、受験校の絞り込みを指導しています。その際、全国模擬試験の結果(偏差値)を基に、志望校選定が行われていますが、ここに大きな「落とし穴」が潜んでいます。全国模試があったのは九月前半。言い換えれば、最新の偏差値と言っても、入試本番より五ヵ月も前の実力といえます。長年、受験に携わってきた経験で言えば、この時期の偏差値は、本来の実力を反映したものではありません。とくに現役生は、本物とは言い難い。落とし穴とは、学校がその点を見逃してはいないかという指摘です。受験生が実力を開花させるのは、圧倒的に模試後から入試までの三ヵ月。例年、この時期に、総合力を急上昇させる受験生が意外に多い。とくに現役生の場合、学校での学習が全範囲を網羅して一通り終わる秋口から、入試勉強に本腰が入るので、その傾向は顕著に現れます。

受験には逆転現象がよくある

「受験には逆転現象がよくある」「まぐれで受かる」「あのうちは強力なコネがあったらしいわよ」「○○塾は××校に何人の枠を持っている」……といったことを耳にすると、受験には何か「運=ウラ」のようなものが付きまとっているように錯覚しがちになります。実際、本番が迫ってくると、焦る気持ちから「どんな手を使ってでも」「もっとお金をかけてでも」合格を手に入れたい、そんな心境に陥るお母さんがいます。確かに、学校や塾での成績がそれほどでもなかった子が受かったり、「えっ、あの子が!」という予想外の不合格があったり……ということは毎年あります。が、受かる子は学校や塾では目立たなくてもコツコツ力を付けていたのであり、落ちた子は実力があっても本番当日に力を発揮できなかったのが真実でしょう。この逆はありません。

学習効果を高める時間配分

学習効果を高める時間配分のしかたにふれておきます。同じ科目、たとえば英語を1日連続5時間勉強するのと、5日間にわたって1日1時間で合計5時間勉強するのとでは、どちらが効果がある(よりよく記憶される)でしょうか。これはすでに何年も前から、心理学の分野の実験で証明されていることなのですが、まとめていっぺんに学習するよりも、何回かに分けて学習するほうがずっと効果があることがわかっています。ですから同じ科目を1回に4時間も5時問も学習するのではなく、1科目1時間ぐらいにして1日に5科目を何日かに分けて学習する計画を立てるとよいのです。これらのことを考えると、一夜漬けはあまり効果のないことがよく理解してもらえたと思います。まぎわになってあわてるのではなく、きちんと計画を立てて学習できる人が常によい成績を残せることは、科学的にも証明されていることなのです。